創業1876年、佐賀県佐賀市の肥前名尾和紙さんをご紹介します。

名尾和紙の原料は名尾地区に自生する梶の木を使用されています。
梶は同じクワ科で通常和紙に用いることの多い、楮の原種にあたると教えていただきました。

楮に比べて繊維が長く繊維同士が絡み合うため、薄手でも丈夫な紙ができるのが名尾和紙の特徴。光を通すための薄さと、墨書きされても穴が空かない強度の両方が必要とされる提灯用の紙をはじめ、番傘、合羽、障子紙などに使われてきたそうです。

和紙の買い付け後、工場の見学をさせていただきました。
これは佐賀県内の約40校で使われる、校章入りの卒業証書を漉いているところです。証書は三椏から作られる局紙を使うことが多いのですが、地元手すき和紙で作られた卒業証書なんて、とても素敵な記念になること間違いないですね。

奥にいるのが、7代目の谷口弦さん。試行錯誤を繰り返しながら、和紙の新しい提案を模索されています。この時は、赤々としたモミジを和紙に漉き込む作業の最中でしたが、お近くでお話を聴かせていただき、ありがとうございました。

和紙の販売をされている店内には所狭しと和紙が飾られています。和紙自体の作品性が高く、眺めているだけで創造力を掻き立てられます。和紙の新しい形を模索されている、ますます目の離せない和紙処の一つです。
※記事の一部、名尾和紙HPより引用しました。

<肥前名尾和紙>
佐賀県佐賀市大和町大字名尾4756
HP https://naowashi.com
Facebook https://www.facebook.com/肥前名尾和紙-125938611091826/