令和2年11月22日-23日と開催しました作品展「比翼連理」、おかげさまで、無事に閉幕いたしました。

お客様が密集しないように告知はSNSのみ。手指消毒やマスク着用など感染症対策にご協力いただきながらではありましたが、思いのほか得るものの多い作品展となりました。

小作品ではありますが、立体のくいさき細工を初めてお披露目したことに加え、2021年のカレンダーに使用した家紋切り絵の現物紹介、また「一日一紋」と表して家紋を切る日々の一旦の節目として家紋を二つ結んだくいさき細工「結紋」を100点展示。
皆様が思い思いに家紋について語られている様子を耳にしながら、私自身も改めて家紋の魅力を再確認いたしました。
今回使用させていただいた去来荘の佇まいも素晴らしく、陽に当たりながらお縁に座って庭を眺めるひとときを得られただけでも、作品展を開催した甲斐がありました。

天に在りては願わくは比翼の鳥と作り
地に在りては願わくは連理の枝と為らんと
天長く地久しきも時有りて尽きん
此の恨み 綿綿として尽くる期無からん

白居易「白楽天詩選(上)」岩波文庫81頁

空飛ぶ鳥に生まれたら、雌雄各々一翼であるから二羽一緒に並んででなければ飛べない鳥となろう。
地上に生える樹になるならば、二本の樹の交えた枝の木目が連なった連理の枝となりたい。
いつの世にも離れることのない夫婦でありたい。

「新釈漢文大系 10 古文真宝(前集)下」明治書院605頁