尼僧の母から、「お寺で”塗香を用いた文香づくり”をするので、作り手さんの家紋を貼った香袋を作ってほしい」との依頼が入り、手すき和紙で家紋を切った文香袋を拵えました。

塗香(ずこう)というのは、数種類の香木や漢薬を乾燥させたものを粉状にし、仏前に礼拝する前などに身を清めるため身体に塗るお香です。

好きな香りを自分で選んで調合し、手紙や小物に忍ばせた文香が、すれ違いざまにほのかに良い香りを残す。

これが大人の嗜みというものか…。

家紋の入った文香袋、お喜びいただけたようでなによりでした。